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F受方は、盤上と攻方の持駒以外の駒を、
合駒として使えること。
ただし、無意味な合駒はできない。
詰将棋は、将棋の駒ひと組40枚を使います。
そこから、盤上に配置されている駒と、
攻方の持駒と、攻方の王を除いた残りの駒は、
表示されていませんが、受方の持駒になっています。
受方は王手をはずすための合駒として、これらの駒を使うことができます。
駒ひと組という上限がありますので、たとえば盤上と攻方持駒で飛を2枚使っていれば、
飛の合駒はできません。
残った駒のうちから、ルールDとEによる最善の駒を合駒として使います。
ただし、無意味な合駒はできません。
「無意味な合駒」(通常「無駄合」といいます)とは、
「その合駒を取られて、その駒が詰方持駒として残り、手数が2手増えるだけのもの」のことです。
(2手とは、合駒する手と、それを取る手、の意味です)
G図で、▲3八飛に対し、3七や3六に合駒するのは、すべて▲同飛と取られて、まさに無駄合です。
このルールFは、これを禁じています。
では、3五への合駒はどうか。たとえば▲3八飛に△3五歩合とすると、
▲同飛は、馬の2四への利きが止まるので△2四玉と逃げられ、
△3五歩合に▲同馬は、今度は飛の利きが止まるので△3三玉と逃げられます。
結局、G図は3五歩合で詰まなくなります。
このような3五への合駒は、無駄合ではなく、これを有効合といいます
有効合とは、G図のように、それにより詰まなくなるもの、だけでなく、
詰まされても、4手以上手数が延びるものも含みます。
H図は、▲3八飛に対し、△3五歩合は▲同飛と取られ、
G図と違って△2四玉と逃げられません。△3五歩合は無駄合です。
H図は、▲3八飛に対し、3七、3六、3五へのすべての合駒が無駄合になるので、
「3八飛まで1手詰」が正解です。
I図は、古くからある有名な作品で、この簡素な初形から有効合が出現します。
初手▲2四香で簡単に詰みそうに見えます。
対して、△2二合は▲同香成で無駄合、△1一玉は2二香成まで、
△1二玉も▲2三香成△1一玉▲2二成香まで。
しかし、2三へ合駒する手があります。
香で王手を続ける▲同香不成なら△1二玉で、2三に香が成れずに詰みません。
もっとも、2三の合駒がたとえば歩なら、△2三歩合に▲2二歩△1一玉▲1
二歩△同玉▲2三香成以下で簡単に詰みます。
この手順中の▲1二歩を防いで、1二に利かす△2三銀合がこの作品のポイント、まさに有効合です。
本作の正解は「2四香、2三銀合、2二歩、1一玉、1二歩、同銀、2一歩成、
同銀、1二歩、同玉、2三香成、1一玉、1二歩、同銀、2二成香まで15手詰」です。
2手目△2三角合も考えられますが、9手目▲2二香成までで早く詰むので、変化手順です。
(なお本作、11手目▲2三香成のところを▲2三金でも詰みます。
これは現在では明らかな余詰ですね。)
合駒は普通、G図の3五歩合のように受方の駒の利き(この場合は3四玉の利き)があるマスにします。
取られても取り返せるようにするためです。
ところが、I図の2三銀合のように、受け方の駒の利きがないマスにする場合もあります。
これを中合(ちゅうあい)といい、妙味ある手段です。
また、持駒を打つのではなく、盤上の駒を移動させて合駒とする場合もあり、
これを移動合(いどうあい)といいます。
普通の合、中合、移動合の、どれを使うか、どの駒を使うかは、
ルールDとEにより、なるべく長手順、なるべく攻方持駒が余らない手順を選びます。
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