-7-

さて、ルールDEを整理すると、

受手が複数ある時、本手順と変化手順を

どのように判別するか、

ルールDにより、()・「手数が長い方が本手順、

短い方が変化手順」。


ルールEにより、()・「手数が同じ場合、

攻方持駒が余らない方が本手順、

余る方が変化手順」。



この2項は、現在どの本にも書いてあり、たぶん全ての人が従っていて、異論はないと思いますが、

はじめに紹介した「規約委員会決定案」(「詰将棋パラダイス」199911月号)では、

この後に、
()として、「()()が同じ場合、詰める手順が一つしかない方が本手順、

二つ以上あれば変化手順」。
の提案があります。

私は、この()はルールとすべきだと思いますが、現状はルールとなっていません。

さらに、()()()が同じ場合は、と数項目ある中で、ひとつ説明しますと、

「詰上りの駒数が少ない方が本手順」があります。


たとえば次のE図です。
 


E図は、▲3一角成に対して、()△同玉なら▲3二金まで、

()1二玉なら▲1三金までで、

どちらも同手数で詰み、どちらも攻方持駒が余りません。

このE図の場合、詰上りの駒数が少ない「3一角成、

同玉、3二金」の方を本手順にするということです。



なぜかというと、▲3一角成のような捨駒は、(たとえば「同玉」のように)駒を取られた方が、

一見攻方が不利に見え、手順に妙味が増すからです。

「なるべく妙味ある手順を答える」(もちろん他のルールに反しない上でですが)というのが、

解者のマナー、たしなみなのです。

しかし、人の感覚は人それぞれであり、捨駒を取らない方が妙手という感じ方もあるし、

誰が見ても取らない方が妙手という場合もあり、この項目もルールとしては確立していません。


-7−
  

用語の説明 

捨駒(すてごま)・・・・・相手に取られることを承知の上で、指す駒。