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さて、ルールDとEを整理すると、
受手が複数ある時、本手順と変化手順を
どのように判別するか、
ルールDにより、(1)・「手数が長い方が本手順、
短い方が変化手順」。
ルールEにより、(2)・「手数が同じ場合、
攻方持駒が余らない方が本手順、
余る方が変化手順」。
この2項は、現在どの本にも書いてあり、たぶん全ての人が従っていて、異論はないと思いますが、
はじめに紹介した「規約委員会決定案」(「詰将棋パラダイス」1999年11月号)では、
この後に、(3)として、「(1)(2)が同じ場合、詰める手順が一つしかない方が本手順、
二つ以上あれば変化手順」。の提案があります。
私は、この(3)はルールとすべきだと思いますが、現状はルールとなっていません。
さらに、(1)(2)(3)が同じ場合は、と数項目ある中で、ひとつ説明しますと、
「詰上りの駒数が少ない方が本手順」があります。
たとえば次のE図です。
E図は、▲3一角成に対して、(イ)△同玉なら▲3二金まで、
(ロ)△1二玉なら▲1三金までで、
どちらも同手数で詰み、どちらも攻方持駒が余りません。
このE図の場合、詰上りの駒数が少ない「3一角成、
同玉、3二金」の方を本手順にするということです。
なぜかというと、▲3一角成のような捨駒は、(たとえば「同玉」のように)駒を取られた方が、
一見攻方が不利に見え、手順に妙味が増すからです。
「なるべく妙味ある手順を答える」(もちろん他のルールに反しない上でですが)というのが、
解者のマナー、たしなみなのです。
しかし、人の感覚は人それぞれであり、捨駒を取らない方が妙手という感じ方もあるし、
誰が見ても取らない方が妙手という場合もあり、この項目もルールとしては確立していません。
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