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『詰将棋のルール』


繰り返しますが、「詰将棋」とは

「ある局面から玉を詰め手順を求める「パズル」」ですので、

作図する人、解図する人、双方に、

それぞれ守らなければならないルールがあります。



一般に発行されている「将棋の練習問題としての詰将棋」の本に載っている「ルール」は、

「解き方」のルールしか載っていないものがあるので、注意が必要です。



まず、作図する人には次のルールが課せられます。

@作意手順は、攻方が王手をし、受方がその王手をはずす手を指す手順であり、

     最終手で受方の王が詰むこと。

A作意手順以外の攻手では詰まないこと。

B作意手順の詰上りに、攻方の持駒が残らないこと。


作図する人は、@からBを満たした上で、CからIにより解図する人が本手順を導き出せるように、

作意手順を設定しなくてはいけません。



次に、解図する人のルールは次の通りです。

C攻方は、王手の連続で受方の玉を詰めること。

     受方は、王手をはずす手を、詰められるまで指すこと。

D受方は、受手が複数ある時、最も長い手順で応じること。

E受方は、同手数の受手が複数ある時、攻方の持駒が残らないように応じること。

F受方は、盤上と攻方の持駒以外の駒を、合駒として使えること。

     ただし、無意味な合駒はできない。

G攻方は、攻手が複数ある時、最も短い手順で詰めること。

H攻方は、同手数の攻手が複数ある時、攻方の持駒が余るように詰めること。

Iその他、駒の動き、反則等は「将棋」のルールに準じること。



解図する人は、CからIのルールに則り、本手順を発見し、その手順を解答します。


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用語の説明 

局面(きょくめん)・・・・・盤上と持駒の駒の配置

手順(てじゅん)・・・・・連続している指し手。

作図(さくず)・・・・・詰将棋(図式ともいう)を作ること

解図(かいず)・・・・・詰将棋(図式ともいう)を解くこと。

作意手順(さくいてじゅん)・・・・・作者の意図する手順。通常、略して「作意」という。

本手順(ほんてじゅん)・・・・・攻方と受方の双方が、ルール上の最善を尽くした手順。
                 ルール上正しい手順。

                 作者が間違えていなければ、作意手順=本手順のはず。


攻方(せめかた)・・・・・玉を詰める側。「詰方(つめかた)」とも言う。
             「方」は「側」の意味であり、「方法」の意味でない。
             攻方、詰方ともに、「めかた」にフラットなアクセント。

受方(うけかた)・・・・・詰められる側。「方」は「側」の意味であり、「方法」の意味でない。
             「けかた」にフラットなアクセント。「玉方(ぎょくがた)」とも言う。

攻手(せめて)・・・・・攻方の指し手。すべての手が必ず「王手」。

受手(うけて)・・・・・受方の指し手。すべての手が必ず「王手をはずす手」。

詰上り(つめあがり)・・・・・手順の最終局面で玉を詰めた場面。

合駒(あいごま)・・・・・飛・角・香の、玉から1マス以上あけたマスからの王手に対して、
             その駒と玉の間
に駒を打ち(またはそこへ駒を移動させ)、王手を防ぐこと。