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さてここで、1ページで話に出た「詰める」の意味を説明します。

将棋の基本的なルールですが、

相手の駒がいるマスに、自分の駒を進めると、その「相手の駒」を「取る」ことができます。

「取る」とは、その駒を盤上から消し去り、自分の「持駒(もちごま)」にすることです。


「次の手で王将を取るぞ」という手を「王手(おうて)」と言います。

王将以外の他の駒は取られても良いのですが、王将だけは取られるわけにはいきません。

相手に「王手」をされたら、たとえば王を逃げるとかで、王手をはずさなければなりません。

王手をはずすことができない、つまり次の手で王が取られることを防げないことを「詰み」と言い、

相手を「詰み」の状態にすることを「詰める」と言います。





さて、こうして生まれた「詰将棋」は、現在では、大きく2つに分類することができます。

ひとつは、一般に売られている書籍などの「○○九段詰将棋集」や

新聞雑誌の「5分で詰めば初段」のような詰将棋。

ここでいう九段とか初段とは、将棋の段位であることからも分かるように、

あくまで将棋の練習問題としての詰将棋です。

もう一つは、単に詰むか詰まないかだけでなく、「美しく詰ませる」といった芸術的な要素を含み、

「指し将棋」(詰将棋と区別するために、将棋のことをこう呼ぶときもあります) とは全く別の

独自の世界を形成している詰将棋。

アマチュア中心の世界ですが、解くだけでなく、

自分で創ったり、互いに鑑賞したりして、研鑽を積んでいます。

優れた作品には、解かずに鑑賞するだけでも感動するような、

まさに芸術とも言えるものもありますが、残念ながら一般にはあまり知られていません。




次の章からは「詰将棋のルール」についてくわしく説明していきますが、

「詰将棋」はもともと「将棋」から派生したものなので、

基本になるルールは「将棋」に基づいています。

駒の動き方や、反則等の、「将棋」のルールの説明は、このホームページでは省略します。

「詰将棋」では、それらの「将棋」のルールと、

これから説明する「詰将棋」独自のルールの双方が適用されます。

さて、詰将棋のルールと言っても、現在、誰もが従っているきちんとしたルールは、実はありません。

これは、前に説明したような、詰将棋の生い立ちにもよります。

将棋の練習問題から、パズルへと進化、あるいは芸術的要素も入ってくる、

江戸時代は将棋の名人が幕府に献上するようなものだったのが、

明治時代以降は一般大衆に新聞雑誌で解答募集するようになる。

このような変化の中で、詰将棋に対する考え方も変わってきました。

ルールについても、基本的な所はもちろん変わっていませんが、

細かいルールは時代にあわせて変化しました。

一言でいえば、作者側に都合の良いルールから、

解く人にわかりやすいルールへ、といったところでしょうか。

しかし、趣味の世界の話なので、こうした変化をきちんとした規約として、まとめて来なかったのです。

全詰連(全日本詰将棋連盟)もアマチュアの集まりではありますが、規約の制定はしました。

綿貫英助氏が中心になってまとめられた「綿貫規約」というものです。

しかしこれは1963年のことで、すでに古くなっており、現状とかけ離れている部分も多く、

この規約に現在従っている人は少ないと思われます。

その後も、規約制定の動きはありましたが、正式決定までには残念ながら至っていないようです。

新しくこの世界に入ってくる人たちのためにも、きちんとした規約の制定が必要と思います。



このホームページでは、現在一般的に知られている「詰将棋のルール」をまとめてみました。


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用語の説明 

王手(おうて)・・・・・「次の手で玉を取るぞ」という手。

詰み(つみ)・・・・・次の手で玉が取られるのを防げない状態。