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『やさしい「詰将棋」の話』


このホームページは、

「詰将棋(つめしょうぎ)」とは何かということと、

「詰将棋のルール」について、

説明しようとするものです。            

  下線の付いた用語にはページ下部に
  「用語の説明」があります。




「詰将棋(つめしょうぎ)」とは元々「将棋」から派生し、独立したものですから、

「将棋」の話から始めます。

「将棋」。ここでは、私たちが日本でふだん見かける「日本将棋」のことを言います。

将棋のルーツは古代のインドにあると言われています。

チャトランガというこのゲームが、少しずつ改良されながら他国へ伝わり、

西に行ったものがヨーロッパでチェスになり、東に行ったものが将棋になったのですが、

日本には中国から中国将棋として伝来し、その時期は奈良時代と言われています。

古くは数種のルールがありましたが、少しずつ改良され、

現在の形になったのは西暦1500年頃のようです。

このように、日本将棋は、他の国の将棋やチェスなどと同じルーツの、言わば兄弟のゲームであり、

日本に入ってきたのは今から1500年ほど前、

現在のルールになってからでも500年ほどの歴史があります。

それほど長く行われても飽きられない理由は、将棋というゲームの奥の深さにあるのでしょう。

将棋は、縦9マス、横9マスの81のマス目を持つ将棋盤に、敵と味方それぞれ8種で20枚ずつ、

40枚の駒を並べ、ルールに基づいて駒を動かし、駒を取ったり取られたりして、

20
枚のうちの1枚である敵の「王将」を先に「詰めた」方が勝ちというゲームです。

「詰める」という用語が出ました。これは「取る」とは意味が違います。

重要な点なので後で説明します。



将棋は二人が一手ずつ交互に指しますが、勝負がつくのに、

双方合わせて平均で120手ぐらいかかります。

この120手ほどは、おおむね3つの場面に分かれます。それぞれを、序盤、中盤、終盤といいますが、

まず序盤は、駒組みと言って、自分の作戦に基づき、攻撃態勢や守備態勢を整えます。

双方の陣形ができると、いよいよ中盤で、駒と駒がぶつかり合い取ったり取られたりします。

中盤は、実際の戦争と同じで、通常は数が多い方が有利ですから、

なるべく多くの敵の駒を取ることがポイントの一つです。また駒を効率的に使うことや、

自分が支配できる陣地の拡大なども重要です。

中盤ではまだ敵の王将を直接捕まえる段階ではありません。

終盤に入ると、いかに早く敵の王将を捕まえるかの争いになります。

駒の損得とか陣地の広さとかは関係なく、

目的はただ一つ敵の王将を捕まえること、ということになります。




詰将棋は、この将棋の「終盤」をパズル化したものです。

詰将棋は、将棋の終盤の練習問題のようなものから始まりました。

序盤や中盤は正解がいくつもあってパズルになりにくい。

その点で終盤は、目的が「王を詰める」の一点であり、答をひとつに限定しやすく、

パズルに向いていたのでしょう。


詰将棋を定義すると、「王手の連続で王を詰める手順を求めよというパズル」と言えます。

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このホームページを作るに当たり、参考にさせていただきました。(敬称略させていただきます)    

「綿貫規約」1963310日 (全日本詰将棋連盟 規約制定委員会事務長 綿貫英助)

「詰将棋規約 規約委員会決定案」(「詰将棋パラダイス」199911月号) (規約委員会委員長 川崎弘)